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ガス圧接の原理

執筆者の写真: KウェルKウェル



鉄筋コンクリート構造などに使われる鉄は鉄の原子と炭素も原子が混じりあった結晶でできています。鉄の結晶は溶かさなくても、ある一定の距離まで近づくと鉄の原子同士が互いに結びつき強固に結合します。これを金属結合といいます。


金属結合によってできた結晶を金属結晶。金属結晶の配列を結晶構造とよびます。

鉄の結晶構造は常温の状態だと安定した規則正しい配列をしています。

鉄に熱と圧力を加えると結晶構造が変化し、原子運動が活発化することで結合しやすくなります。


しかし、鉄の原子同士の結合を妨げるものがあります。それは酸化です。


空気中では鉄は酸素を結びつき、酸化膜を形成します。酸化膜があると金属結合ができません。

鉄筋端面の酸化膜
鉄筋端面の酸化膜


この酸化膜は還元炎で取り除くことができます。

還元炎で酸化膜を取り除き、鉄を1200℃~1300℃まで加熱し圧力を加えると原子は活発な運動をすると同時に拡散し、原子の混じり合いが始まります。接合面を越えて原子レベルで一体化することで結合されます。このように鉄を溶かすことなく、固体のまま結合させることを固相結合といいます。






鉄筋の固相結合
固相結合により原子レベルで一体化する

固相結合で接合面が一体となった部位は高強度を維持できるメリットを持っています。

ガス圧接はこの固相結合の原理を使って鉄筋端面を一体化させる工法です。



用語解説

*1 還元炎 

酸素の量が少なく、温度が低い炎のこと。一酸化炭素や水素を含み還元性がある。ガス圧接ではアセチレンガスを多くすることで還元炎にする。



参考

公益社団法人日本継手協会  http://www.tekkin-tsugite.or.jp/tsugite_tech02.html

関東圧接業協同組合連合会  http://www.kan-atsu.org/

鉄筋のガス圧接入門

鉄筋継手マニュアル

#ガス圧接 #ガス圧接の原理 #鉄筋継手

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